皆さんは手っ取り早くお金持ちになりたいと思ったことはありますか?
おそらく誰しも一度くらいは「手早くお金持ちになれれば仕事を辞めて悠々自適に暮らせるのに…」と考えたことはあるでしょう。
かくいう私も、会社に行くのが嫌すぎて少しでも効率よくお金を増やすために資産運用の勉強を始めた経緯があります。
その中で私は株式の「スイングトレード」の手法について学ぶ機会がありました。
「上手くいけばインデックス投資よりも短期間で利益出せるのでは?」と思って興味を持った私は、実際に自分で株式のトレードに挑戦してみることにしました。
詳細は後述しますが、簡単に言うとスイングトレードとは株式を数日~数か月の期間で保有して、その間に変動した差額で儲けることを目的にした取引のことです。
結論からいうと、短期間でいくらかのお小遣いを稼ぐことには成功したのですが、いろいろ思うところがありすぐに辞めてしまいました。
今回は、私が挑戦した株式のスイングトレードの体験談についてお話します。
この記事を読んでいただければ、株のド素人が副業として株式トレードで稼ぐことはできるのか、株式トレードにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを知ることができます。
- 株のスイングトレードで短期で稼ぐことはできたが、長期的には難しいと思った
- いつも株価が気になってソワソワしてしまい、他のことに集中できなくなる
- もっと有意義なことに時間を使いたいと思い、トレードを辞めた
- トレードは辞めてしまったが、資産運用との向き合い方について多くの教訓を得ることが出来た。
\トレードはこの本で勉強しました/
スイングトレードとは
株式トレードで儲ける仕組み自体はシンプルです。
株式を買って、価格が買った時の価格以上に高くなった時に売れば利益が出る。
これだけです。
逆に、価格が下がってしまえば損失になります。
例えば、もし私が任天堂の株式を10000円で買って、その後価格が15000円に上がった時に売れば5000円の儲けになりますが、値下がりすればその分だけ損失になるわけです。
なので、通常の株式トレードでは「これから株価が上がるだろう」と思う株を自分で選んで購入する必要があります。
逆に値下がりする株を買うことで儲けを狙う手法もありますが、私はその辺はあまり詳しくないのでここでは触れません…。
ここで、私が挑戦した「スイングトレード」とは買った株式を数日~数か月かけて値動きを観察し、あらかじめ決めた株価に到達したら売って利益(下がれば損失)を確定させるという手法です。
株式トレードにはいろんな手法がありますが、「株式の保有期間」によって分類するとざっくり以下の通りです。
株式の保有期間 | トレード手法 | 売買の頻度 |
---|---|---|
超短期 | スキャルピング | 数秒~数分 |
短期 | デイトレード | 1日以内 |
中長期 | スイングトレード | 数日~数か月 |
長期 | インデックス投資、 高配当株投資など | 数年~数十年 |
この中で、私が消去法的に選んだのがスイングトレードでした。
長期投資はすでに積み立てNISAを始めていましたし、1日の中で何度も売買を繰り返すスキャルピングやデイトレードは株式市場が動いている時間帯に株価を見ておく必要があるためサラリーマンの私にはほぼ不可能でした。
なので、株価を貼りついて見る必要がないスイングトレードならサラリーマンでもやりやすそうだなと思ったわけです。
書籍を参考に勉強してみた
私がスイングトレードの教科書としたのは以下の書籍です。
この書籍では「株式とは?」といった初歩的な解説から始まり、株式の価格が変動する理由や、株式を売って利益を確定させるまでの流れが網羅的に説明されていました。
その中で、初心者が陥りがちな株式投資の罠や、堅実に利益を出すための考え方などについても触れられています。
なので、資産運用を始めたばかりの初心者の方にもかなり勉強になる書籍です。
そしてこの書籍のなかで特徴的なのが、株式トレードに必須の知識である「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」について初心者が理解しやすいように解説されていることです。
それぞれ簡単に説明すると、テクニカル分析とは株価のチャートの形からその後の傾向を予測する手法のことです。
その企業がどんな事業をしているかはさておき、今その企業の株価が上がるトレンドなのかを見極めるための手法です。
一方、ファンダメンタル分析とはその企業の事業や財務状況などから、その企業の株価が上がるかどうかを予測する手法です。
その企業の今の流れはさておき、会社のお財布状況や株価が適切なのか、今後の成長が期待できそうかを見極める手法です。
そしてこの本によると、「テクニカル分析で売買のタイミングを極め、ファンダメンタル分析で絞り込む」というスタンスでトレードに臨むことが推奨されていましたため、素人なりにこの本で勉強してからトレードに臨むことにしました。
いざ日本株のトレードに挑戦
実際に書籍の内容に従ってネットで情報を調べながら株式を探してみると、書籍で推奨している条件に合致すると思われるものがいくつか見つかりました。
テクニカル分析においてこれから株価が上昇しそうなもの、
なおかつファンダメンタル分析的に企業の財務や事業内容的に成長が期待できそうなものです。
具体的な株式の選び方の説明はかなり長くなるのでここでは割愛します…
詳しい株式の探し方を知りたい方は、ぜひ一度書籍を読んでみてください。
さて、株式の購入は証券口座さえ持っていればネットから誰でもできます。
私の場合は楽天証券を使っているため、楽天証券から日本株の注文を行いました。
日本株の場合、株式市場が動いている平日の9時から15時まではリアルタイムで売買できますが、私の場合サラリーマンとして働いている時間帯のためその時間帯の売買はできません。
(仕事をサボれば話は別ですが)
なので、前日のうちに「予約注文」という形で注文を仕込んでおきました。
こうすれば、株式市場が動いていない時間帯でも株式を注文することができます。
そして、書籍の中でポイントとして解説されていたのは、「買い注文の時に売り注文もセットで予約しておく」ということでした。
なぜかというと、こうすることで自動的に利益を確定させたり、損失を抑えることが出来るからです。
例えば「明日の朝、任天堂の株式が10000円以下だったら買う」という買い注文を予約した場合、それと同時に「任天堂の株価が12000円になったら売る」、「任天堂の株価が8000円になったら売る」という2種類の売り注文を同時に予約しておくような感じです。
前述したとおり、サラリーマンは株価をリアルタイムで見ておくことができません。
なのでもし株価が暴落した場合、すぐに株を売って損失を回避することが難しく、ずるずると損失が大きくなってしまいます。
逆に、利益が出ている場合は欲をかいて「もっと上がるかも…」と考えてしまい、その後株価が下がってしまって売り時を逃すこともありえます。
そこであらかじめ「何%利益(損失)が出たら売却」というルールを定めておくことで、欲や感情に振り回されずに機械的に売買できるようになるというわけです。
私は書籍の内容に沿って、自分で見つけたいくつかの株式についてそれぞれ買い注文と売り注文を予約しました。
そして翌日になるとすべての株式の購入が問題なく行われており、私のトレーダー生活が始めりました。
ちなみに日本株は100株単位でしか買えない関係で、私が購入したのは少額の株ばかりでした。
合計の購入金額は30万円くらいだったと思います。
2週間でかなり良い収益が出たが…
その後、株価の上下に合わせて私が予約注文していた通りに株の売り買いが行われていきました。
仕事中は株価をチェックできないので、家に帰ってからその日の株価の値動きを確認することになります。
もし株が売却されていた場合は、まだ上がりそうならば再度同じ株を買い、頭打ちしているようなら別の株を調べて購入したりといったことを繰り返していました。
このあたりの判断も可能な限り書籍の記載をもとに判断していました。
そんなトレードを繰り返して約2週間が経過した頃には、だいたい1万円くらいの含み益が出ていました。
元手が約30万円で含み益が約1万円ですから、2週間でざっくり約3%の利益です。
インデックスファンドの利益率が1年間で4~5%であることを考えると、かなり短期間で稼げたと思います。
しかし、結果的には私はそこから新しい株を買うことはなく、手持ちの株をすべて売ってスイングトレードから撤退しました。
トレードを辞めた理由
一見数字だけ見れば、効率よくお金を稼げているように見えるかもしれません。
しかし、私はこの2週間の間にスイングトレードのさまざまな問題を感じており、考えた末にトレードから撤退しました。
ここからは、私がトレードを辞めた理由について解説していきます。
長期間稼ぎ続けるのは無理だと思った
私が短期間で利益を出すことが出来たのは私の投資センスがあったからではありません。
ぶっちゃけてしまえば、ビギナーズラック、単純にラッキーだっただけです。
確かに、書籍の情報通りの値動きで価格が上がる株はありました。
しかし、それ以上に値下がりする株や、イレギュラーな値動きをする株の方が多かったです。
今回私が収益を得られたのは、たまたま値上がりした株で大きく利益が出たものがあったからです。
実際は多くの株で損失が出ており、一歩間違えればトータルでマイナスになっていても全くおかしくありませんでいた。
株価の変動要因は無数にあるため正確に予測することなんて不可能です。
ましてや1日や数週間程度の株価の値動きを予測することなんて、ギャンブルと変わりません。
これを続けても安定的に稼ぐことはできないどころか、いつか大損失を出して痛い目に会うだろうなと感じたのが、トレードを撤退した一つ目の理由です。
ずっと株価が気になってしまうのが嫌だった
二つ目の理由はメンタル的なことです。
私はずぶのトレード初心者だったこともあり、仕事中も株価のことが気になって集中力を欠いてしまう場面がありました。
「株価下がってないかな」とずっと頭の隅にモヤモヤが居座っているような感じだったわけです。
あくまで副収入目当てでやってみたトレードなのに、本業に影響が出てしまっては元も子もありません。
自分の脳みその一部をずっとトレードのことで占有されているような感覚がしてストレスを感じました。
トレード作業以外のことに時間を費やしたいと思った
もっと有意義な時間の使い方があるんじゃないかなと思ったのが、トレードを辞めた最大の理由です。
家に帰ってから株価をチェックして新しい株を調べるというサイクルがつまらなくてシンプルに苦痛でした。
せっかく家に帰っても前述のように株価のことが気になってしまいますし、株が売られていれば新たに仕込む必要がありました。
しかし株についてテクニカル分析をしたり、ファンダメンタル分析をするというのは私にとってさほど楽しい作業ではなかったのです。
私は仕事が終わって家に帰ったら、映画を観たり、ゲームをしたり、家族と団らんしたりする、こんなまったりした時間こそが人生の醍醐味だと思っています。
しかしスイングトレードをやっていると、仕事以外の余暇の時間にも株価のことが気になってしまったり、作業をする必要が出てくるのです。
お金を稼ぐために自分の楽しみの時間が大きく削られるというのは私の人生哲学に反します。
なので迷わずトレードを辞めました。
得られた教訓
株価の動きは予測できない
私はトレードを辞めてしまいましたが、それでもトレードに挑戦してみて本当に良かったなと思っています。
なぜなら、株価の変動は誰も正確に予測することなんて出来ないということを投資初心者のうちに痛感できたからです。
株価のさまざまな要因が複雑に絡み合って変動します。
なので一個人が簡単に予測できるような代物ではありません。
「株価は予測できない」とは投資の勉強においてよく語られることですが、投資初心者のうちはそれを自分の肌感覚で理解することは難しいと思います。
私はスイングトレードを通じて、投資初心者の段階で株価変動のランダムさを実感することができたため、とても良い経験になったと思います。
投資系インフルエンサーの中には、いかにも未来を見通しているかのような顔で株価を予想し、投資初心者に有料商材などを売って設けている人がいます。
しかし本当にその予想に自信があるなら、自分がその株を買い占めれば利益を独占できるはずです。
そうしないのは、100%その株価が上がるという自信がないからです。
なので投資初心者に商材として売り出し、堅実に稼ごうとするわけですね。
高額な情報商材に踊らされないようにしましょう。
私のような一般人にはほったらかしのインデックス投資で十分
一部の天才トレーダーは株トレードで大きな資産を築くことが出来るかもしれませんが、私はそのようなセンスがないことが良く分かりました。
それにスイングトレードは私が思っていた以上に時間的拘束、精神的拘束が大きく苦痛に感じました。
私のような一般人には、インデックス投資のよう長期で機械的に積み立ててほったらかしにできる投資の方が性にあっているなと思います。
今のところ私の中ではインデックス投資が最もリスクとリターン、そしてかける手間のバランスが一番いいと感じています。
お金を増やすことは大切なことですが、株式投資に手間や時間をかけすぎるのはそれもそれでもったいないですからね。
スイングトレードを通じて得たこれらの教訓は、今の私の資産運用でも大いに役立っています。
もしあなたが株トレードに興味があるならば、挑戦してみるのもありだと思います。
しかしその場合はちゃんと余裕資金の範囲内でやりましょう。
生活費まで株式投資につぎ込むのはそれこそ自殺行為ですからね…。
この体験談が、あなたの今後の資産運用に何かしら役立てばうれしいです。
これからもより豊かな人生を目指して頑張っていきましょう!
- 株のスイングトレードで短期で稼ぐことはできたが、長期的には難しいと思った
- いつも株価が気になってソワソワしてしまい、他のことに集中できなくなる
- もっと有意義なことに時間を使いたいと思い、トレードを辞めた
- トレードは辞めてしまったが、資産運用との向き合い方について多くの教訓を得ることが出来た。