2015年に”ミニマリスト”が流行語大賞にノミネートされてからというもの、ミニマリストというライフスタイルは広く世に知られるようになりました。
そして現在はコロナ渦を経て断捨離についての情報発信をする人や、ミニマリストのインフルエンサーも増え、モノを持たないライフスタイルに注目が集まっています。
なぜ現在、ミニマリストというライフスタイルが流行しつつあるのか。
今回は、実際にミニマリストになった私がミニマリスト流行の背景について考察してみます。
ミニマリストが流行している理由は…
- スマホが普及したから
- ストリーミングサービスにより所有の必要性が減ったから
- 買い物、物流の変化でモノがいつでも手に入るようになったから
- 働き方の多様化で何度も引っ越しを行う人が増えたから
- 大量のモノや情報に疲弊する人が増えたから
- インフレによりモノを買うコストが増えたから
ミニマリストが流行している理由
スマホが発達・普及したから
ミニマリストが流行した要因としてまず第一に考えられるのは、スマホが広く普及したことです。
スマホが広く普及したことで、それまで必要だったいろんなものを所有しなくてよくなったからです。
ミニマリストでもスマホを持たないという人はほとんど聞いたことがありません。
その理由はやはり、スマホはミニマリストが求める「小型・多機能」の究極系ともいえるガジェットだからでしょう。
現在は片手に収まるスマホ1台で、身の回りのありとあらゆる機能をまかなうことが出来ます。
- 連絡手段(電話、メール、チャット)
- カメラ
- メモ、スケジュール超
- ゲーム
- 音楽・動画プレーヤー
- 地図
- インターネット
- 電子マネーなどの決済手段
スマホが普及する以前は、これらの機能を使おうと思うとそれぞれ個別にモノを用意する必要がありました。
しかし、スマホが普及した今では、家庭で固定電話を置く家は減ってますし、デジカメを買う人も減りましたし、ウォークマンやiPodを買う人なんてほとんどいないでしょう。
コンビニで売っている紙の地図を買うこともなければ、電子マネーの普及で財布や現金すら持ち歩かない人だって増えています。
多かれ少なかれ私たちは皆スマホの登場により「ミニマリスト化」していたとも言えるかもしれません。
ストリーミングやクラウドサービスが発達したから
ストリーミングサービスやクラウドサービスが発達したことも、ミニマリストが増えた要因だと考えられます。
昔はお気に入りのアーティストのCDや、好きなアニメや映画のDVDを集めて棚に並べてコレクションしていた人も多いのではないでしょうか。
しかし現在は、AmazonプライムやNetflixであらゆる音楽や映画、娯楽作品がネット上のストリーミングサービスで手軽に楽しむことが出来ます。
特に映画や音楽をよく利用する人なら、購入するよりもお得な価格で楽しむことが出来るため、CDやDVDを買わなくなったという人は多いでしょう。
買い物、物流の変化でモノがいつでも手に入るようになったから
買い物の仕方と物流の変化により、あらゆるものを手軽に買うことが出来るようになったこともミニマリスト流行の背景だと考えられます。
ネットショッピングの発展とそれに伴う物流網の発達により、いまではネット上で入手できないものはほぼありません。
しかも購入から手元に届くまでの時間も早くなっています。
それこそ、生鮮食品もネットスーパーで買うことが出来ますし、自動車ですらネットで買えるような時代です。
なので現在では「必要な時に必要な分だけ買う」という買い物スタイルを無理なく実現できるようになり、大量のストック品を手元に置いておく必要が無くなったのです。
働き方が変化・多様化しているから
現在は終身雇用の崩壊が叫ばれており、一昔前のように一つの会社に定年まで勤めあげるというライフプランが通用しなくなってきています。
現在でもすでに転職することが普通になっており、それに伴って住まいを移る人もこれからさらに増えていくでしょう。
しかし、引っ越しで荷物を移すというのは大変な作業です。
モノを多く持つ人はそれらを移すだけで多額のお金がかかりますし、引っ越し費用を抑えようと思うと嫌でも断捨離することになります。
また、新型コロナウイルスの流行によりリモートワークなどの多様な働き方が定着し、一か所に定住する必要性が下がっていることも要因と言えるでしょう。
ミニマリストになって持ち物を減らせば、そういった働き方の変化にも身軽に対応しやすくなります。
そういう意味でも、ミニマリストは現代の社会に適した生活スタイルと言えるでしょう。
大量のモノや情報に疲弊する人が増えたから
多くの物や情報に囲まれたストレスから脱却することを求めてミニマリストになる人もいます。
前述の通り、現在はネットショップや物流網が発達してあらゆるものを手軽に手に入れることができるようになりました。
なので、意識せずに生活していると身の回りはあっという間にモノにあふれてしまいます。
また、スマホやSNSの普及により人は簡単に膨大な量の情報にアクセスできるようになりました。
その影響で人間関係も複雑化し、「SNS疲れ」という言葉が生まれるくらい私たちはそれらの情報をうまく処理できていないのが現状です。
ミニマリストになって手に余るものや情報から脱却することで、今一度自分の価値観を見つめ直し、本当に自分にとって価値のあるものや情報を選び取ることができるようになります。
インフレによりモノを買うコストが増えたから
新型コロナ流行で経済が大混乱に陥り、その後生活が正常化に向かうにつれて反動で激しいインフレが起きました。
コロナ禍からの正常化とロシア・ウクライナ間の戦争の影響でエネルギー価格が高騰し、物流も混乱したためそれら影響でモノを作るための材料費やエネルギー費が上がってしまったためです。
つまり、モノから豊かさを得ることが今まで以上にお金がかかるようになったのです。
そのため、これからお金をかけなくても済むようにミニマリストになる人が増えているのではないかと考えられます。
まとめ
現代社会は、良くも悪くも目まぐるしいスピードで変化しています。
また、身の回りには膨大なモノや情報にあふれ、それらの処理に追われながら生活しています。
私たちは今まで以上に、その変化に柔軟に適応していくことが求められているのです。
急激に発達した社会とは裏腹に、私たちの体や脳は大量の物や情報に翻弄され、処理が追い付かずに疲弊してしまっている現状です。
今までは生活を豊かにするために「新しいものを取り入れる」ことが重要視されてきましたが、モノと情報が飽和する世界では「何を手放すか」の方が重要になっていくことでしょう。
そういった意味でも、ミニマリストはこれからの時代に合ったライフスタイルなのかもしれません。
ミニマリストが流行している理由は…
- スマホが普及したから
- ストリーミングサービスにより所有の必要性が減ったから
- 買い物、物流の変化でモノがいつでも手に入るようになったから
- 働き方の多様化で何度も引っ越しを行う人が増えたから
- 大量のモノや情報に疲弊する人が増えたから
- インフレによりモノを買うコストが増えたから