この度、ロボット掃除機の新興ブランドである「MOVA(ムーバ)」様から、リリースしたばかりのロボット掃除機MOVA E20 Plusをお借りしました!
数年前から我が家でもロボット掃除機を導入し、その便利さにもう後戻りができなくなっているわけなのですが、しょっちゅう買い替えるわけでもないので新しいモデルに触れる機会ってそう多くありません…
せっかく新製品を試せる機会をいただいたということで、気合い入れてレビューしていこうと思います!
- 良い点
-
- アルゴリズムが非常に賢く、掃除が丁寧でスムーズ
- マッピングやエリア指定の精度が高い
- アプリの操作性が良く掃除内容を細かく指定できる
- 本体厚が最大でも9.6cm薄いため低床ベッドの下も掃除できる
- 水拭き、自動収集、マッピング対応で実売4万円以下は非常にコスパ高い
- 悪い点
-
- 目新しい機能はない
- 長期的な耐久性が不明
MOVAってどんなブランド?
そもそも私はこのMOVAというブランドをこのレビューの依頼をいただいた時に初めて知りました。
まずは私の方でMOVAやメーカーについて調べてみたので、レビューに先だってその内容をまとめようと思います。
親会社はDreame JP株式会社
「MOVA」はDreame Japanの傘下にあるブランドで、スマート家電の分野に力を入れています。
最新技術とモバイル技術を融合したソリューションを提供し、信頼されるグローバルブランドを目指しています。
Dreame Japanは本体である中国のテック企業Dreame(ドリーミー)の日本支社で、製品の開発と製造を行っているのは中国本社のDreameということになります。
Dreameは2017年に中国で発足した企業で、主にスマート掃除機の開発、製造、販売を手がけるテック企業です。
Dreameが開発・製造している製品
DreameはMOVAのようなロボット掃除機をメインで開発しており、他にもAI配膳ロボットなども開発しています。
公式サイトを見ても初めてみる製品ばかりだったので、まだまだ日本でのシェアはほとんどないのかな?と思います。
E20Plusのレビュー
前置きはこのくらいにして、早速今回借りたE20Plusをレビューしていきましょう。
E20PlusはMOVAのエントリーグレードの最新ロボット掃除機で、掃除機本体と自動ゴミ収集ステーションがセットになっています。
掃除機本体は同じで自動ゴミ収集ステーションがない「E20」もあり、こちらは若干お安くなっています。
以下、E20Plusのカタログスペックです。
本体寸法 | 320 x 320 x 96 mm |
重量 | 2.8 kg |
最大吸引力 | 5,000 Pa |
バッテリー容量 | 3,200 mAh |
水タンク容量 | 245 ml |
ダストボックス容量 | 330 ml |
ダストバッグ容量 | 4 L |
乗り越え高さ | 18 mm |
メインブラシ | V 型ブラシ |
モップのタイプ | フラットモップパッド |
掃除機本体の外観
E20Plus本体は飾り気のないシンプルなデザインで、どんなインテリアの中に溶け込みやすいデザインだなと感じます。
素材は全体がマットな質感のプラスチックで、高級感はないものの成形や剛性はしっかりしています。
カラーバリエーションはホワイトのみです。
ミニマルデザインが好きな人にはしっくりきそうですね
天面は運転ボタンと充電ステーションへの帰還ボタンがあるのみなので、細かい操作はアプリからということになります。
個人的には天面のボタンの光り方が控えめなのが好印象です。
天面のボタンが充電中に煌々と光って寝室などに設置すると寝るときに気になる掃除機も多いんですよね…
このくらいの明るさであれば寝室に置いても問題なさそうです。
上部にはマッピング用のセンサーが出っ張っていますが、一番高いところでも高さ9.6cmなのでベッドの下や足が高いソファの下なども楽々入れます。
我が家の低床ベッドの下は高さ10cmしかないので、マッピング機能付きのロボット掃除機は入れないモデルが多いのですが、E20Plusは余裕で入れました。ありがてぇ。
裏面を見るとサイドブラシは片側のみ、水拭き用のモップが取り付けられる構造です。
ダストボックスは後方のレバーをつまむと取り外しできます。
ゴミ収集ステーションの外観
ゴミ収集ステーションはサイズが非常にコンパクトなのが良い感じです。
実寸で縦27cm、横21.5cm、奥行き17.5cmでした。
我が家で使用しているEufy G40の充電ステーションと比較してもかなりコンパクトなことが分かります。
このくらいのサイズ感であれば置き場所に困ることはほぼ無いでしょう。
ダストバッグの容量は4Lで、公式によると最長90日連続して使用可能とのこと。
ゴミの自動収集機能って、私は最初「別に無くても自分で捨てるわー」って思ってたんですけど、一度使ってみたら便利というか快適すぎてもう戻れなくなりました。
いちいちゴミ捨てのことを気にしなくていいのって超ストレスフリーですよ。
ロボット掃除機を使ってる人は早く自動収集ステーション付きに買い替えるのをおすすめします!
各種規制への対応を確認
念のため日本国内の各種規制に対応していることも確認しました。
(そもそも対応してなければ国内で販売できないのですが…)
ロボット掃除機の場合、ポイントになるのは「技術基準適合認証(技適マーク)」と「電気用品安全法(PSEマーク)」になります。
それぞれ確認したところ、ロボット掃除機本体に技適マーク、ゴミ収集ステーション側にPSEマークが確認できました。
各種規制にも問題なく対応しているので安心して使用できます。
初回ペアリング&マッピング
充電が完了したら公式アプリ「MOVAhome」とペアリングします。
ペアリングの時にはMOVAアカウントを作成する必要があります。
ペアリングはアプリの表示通りに進めれば特に問題なく完了しました。
起動すると最初に部屋のマッピングが始まります。
マッピングはかなりスムーズで、2LDKの部屋をスイスイ走り回って5分ちょいくらいでマッピング完了していました。
走行動作を見ていましたが、部屋全体を隅々まで走査するというよりは軽くサーっと見て回るような感覚です。
完成したマップを見ると、かなり正確に部屋や家具を置いている位置の輪郭を捉えていました。
マッピングの精度は既存メーカーのロボット掃除機とさほど遜色ないように思います。
アプリの機能
専用アプリからは遠隔でロボット掃除機のスタート、ステーションへの帰還を操作できます。
また、掃除のモード(吸引のみ、水拭きのみ、吸引&水拭き)吸引力の強弱、モップ湿度なども設定できるほか、掃除禁止エリアなども指定できます。
掃除禁止エリアの設定は「掃除禁止」「水拭き禁止」「バーチャルウォール(進入禁止)」などかなり細かく設定できるため、小さな子供がいる家庭は特にありがたい機能だと思います。
禁止エリアの精度もなかなか高いようで、我が家は玄関の段差が小さく誤って侵入する危険性があったため、試しにバーチャルウォールで進入禁止指定してみたのですが、たしかに指定したラインより先には進入しなくなりました。
マップと掃除機本体の位置関係の認識精度はかなり高そうです。
アレクサやGoogleホームにも対応しているため、スマートスピーカーからの遠隔操作もできます。
掃除の動作
初回マッピングが完了したところで実際に掃除のために走り回ってもらいました。
正直、無名な新興ブランドということで侮っていました…
掃除軌道は無駄がなく、部屋の外周を1周なぞった後に内側を丁寧に縦横に折り返すように規則正しく掃除してくれます。
個人的に良かったのが部屋の隅っこや曲がり角へのかちこみ具合。
昨今でも曲がるときの角の走査が甘いロボット掃除機って意外に多いのですが、E20Plusは部屋のすみや角もかなり丹念に掃除してくれるためなかなか好印象です。
マップもいい感じに機能しているようで、吸い残しエリアが無いように隅々まで動き回っていました。
アプリから掃除した経路を確認できるのもいいですね。
マッピングした地図は部屋を自動的にエリア分けしてくれるため、一つのエリアが終わったら次のエリアという感じで順序だてて掃除してくれていました。
E20Plusのデモ運転のために、前日にロボット掃除機の稼働を止めていたので床には髪の毛や子供の食べこぼしなどが落ちていたのですが、E20Plusが通過した後はきれいさっぱり無くなっていました。
掃除終了後障害物をスイスイ避けながらスーッとステーションまで迷わず帰るので、まじで賢いなと驚きました。
全体的に、5000Paの高い吸引力と優秀なアルゴリズムがしっかり嚙み合って掃除性能は高いように感じます。
この性能で実売4万円弱ってマジ…?
水拭き掃除
我が家では子供用のマットやカーペットを敷いているエリアがあるため、水拭き機能付きのロボット掃除機は買っていなかったのですが、E20Plusは水拭き禁止エリアの指定ができるということでせっかくの機会ということで試してみました。
給水タンクの容量は245mL、水拭きモップは取り外し可能ですが昇降機能などは無いため、取り付けている限りは基本的に床に接している形になります。
アプリから水拭き禁止エリアを指定できるため、今回はカーペットを敷いている部屋を水拭き禁止エリアに指定してみました。
給水タンクに水を入れてモップを取り付けて掃除をスタートすると、さっそく水拭きと吸引が始まります。(ちなみに水拭きのみのモードもあります)
今回、モップ湿度は「中」で試してみました。
ロボット掃除機通過後の床を触ってみると、確かに少し湿っていて問題なく水拭き掃除できていました。
水の量も床がびちゃっとするほどではなく、そのまま床を歩いても気にならないくらいの絶妙な湿度です。
水の量のコントロールは適切に行われてて、水拭き機能も十分実用的だと思います。
モップ湿度は3段階で調整できるので、家の床材や敷物などに合わせて調整するのがいいでしょう。
稼働時の騒音
騒音測定アプリで稼働時の騒音を確認してみました。
参考に、エアコンも動いてない静かな室内が35デシベル前後、テレビを点けたときは50デシベル前後でした。
E20Plusが掃除動作をしているとき、同じ部屋で騒音を計ったところだいたい60デシベルくらいでした。
特に静音性に優れているというほどではないですが、我が家で常用しているAnkerのロボット掃除機G40+の稼働時もほぼ同じ60デシベルくらいだったので、騒音レベルは一般的なロボット掃除機と同じくらいと思います。
価格
E20Plusの価格は公式サイトで通常価格59880円のところを、37,880円という割引価格で掲載されています。(2024年10月時点)
ここまで実動作を確認した限りでは、十分実用に足る性能だと感じますし、水拭き、自動収集、マッピング機能と他社のハイエンド機に匹敵する機能が全て入って実売価格が4万円を切るのは非常にコスパが高いと言えます。
同程度の機能を持った他社モデルが、ルンバi5+で8万円前後、Eufy X8Proが7万円前後であることを考慮するとかなり価格が抑えられていることが分かります。
公式サイトを見たとき、E20Plusの割引幅が大きすぎて「二重価格表示じゃね?」と疑ってしまいましたが、Amazonなどを見ていると他社の大手ロボット掃除機も程度の差はあれ、似たような割引をしていたのでまぁこんなものなのかなと思います…
MOVA E20Plusの良い点
ここまでレビューした中で、MOVA E20Plusの良かった点をまとめてみます
- アルゴリズムが非常に賢く、掃除が丁寧でスムーズ
- マッピングやエリア指定の精度が高い
- アプリの操作性が良く掃除内容を細かく指定できる
- 本体厚が最大でも9.6cm薄いため低床ベッドの下も掃除できる
- 水拭き、自動収集、マッピング対応で実売4万円以下は非常にコスパ高い
全体的に期待以上に掃除性能が高く、特にアルゴリズムが優秀でとても効率よく掃除をしてくれている印象でした。
マッピングもスムーズで精度も高く、アプリから細かく掃除エリアを管理したり指定したりと気の利いた仕様になっているのも感心しました。
本体もマッピング対応機種にしては薄型コンパクトなため、狭いところもスイスイ入れるのが強みですね。
機能的には他ブランドのハイエンド機に迫る仕様で、良い意味で「本当にエントリーグレードの製品か?」と思ってしまったくらいです。
このクオリティで実売価格が4万円切っているのはかなりお手頃価格と言えます。
MOVA E20Plusのイマイチな点
ここからは個人的にイマイチな点をまとめていきます。
先に言っておくと、試用した範囲ではロボット掃除機の性能自体についてはさほど目立った不満はありませんでした。
むしろ予想を大きく上回ってきたクオリティでかなり満足度が高い製品と言えます。
- 目新しい機能はない
-
MOVA E20Plusには他メーカーと比較して特に目新しい機能が付いているわけではありません。
機能としては吸引以外に水拭き、ゴミの自動収集、マッピングといったように既存のロボット掃除機にも見られる機能ばかりです。
なので新機能や新しい掃除体験のようなものはあまり感じられませんでした。
- 長期的な耐久性が不明
-
E20Plus自体の作りや性能は申し分ないクオリティですが、MOVA自体の長期使用のレビューなどがないため実際の耐用年数は未知です。
例えばロボット掃除機のバッテリーはおよそ500サイクル、約2年前後が寿命とされますが、E20Plusがどの程度の寿命を持つのか分かりません。
ロボット掃除機はほぼ毎日稼働するものなので、耐久性などを含むブランドとしての信頼性はこれから蓄積していってほしいなと思います。
まとめ
- 良い点
-
- アルゴリズムが非常に賢く、掃除が丁寧でスムーズ
- マッピングやエリア指定の精度が高い
- アプリの操作性が良く掃除内容を細かく指定できる
- 本体厚が最大でも9.6cm薄いため低床ベッドの下も掃除できる
- 水拭き、自動収集、マッピング対応で実売4万円以下は非常にコスパ高い
- 悪い点
-
- 目新しい機能はない
- 長期的な耐久性が不明
新興ブランドということで正直レビュー前は期待値が低かったですが、いざ使ってみると想像以上に良くできた製品でした。
機能的な目新しさはないもののビルドクオリティは良く、無駄な動作も少なく部屋全体を隅々まで賢く掃除してくれる様子には素直に感心しました。
今回は製品をお借りした状況なのでメーカーに返却しないといけないのですが、正直このまま使い続けたいなーと素直に思ったくらいには満足度が高いモデルでした。
長期的な耐久性やサポート面やや不安要素があるものの、ハイエンド機に匹敵する便利機能をお手頃価格で試してみたい人には購入してみる価値があると思います。
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