「ミニマリスト」という生活スタイルをご存じでしょうか?
ミニマリストとは、シンプルで最小限のもので生活することを好む人たちのことを指します。
最近では、忙しい毎日にストレスを感じている人や、生活の中に豊かさを求める人たちが生活を改善するための選択肢としても注目されているのです。
私自身も、仕事に振り回されストレスを抱えていた頃に断捨離を行ったところ、物が少ないことの快適さを実感して2年ほど前にミニマリストになった経緯があります。
「変わり者」と思われることも多いミニマリストですが、一体どのような考えで物の少ない生活を送っているのでしょうか?
今回は、そんなミニマリストの特徴について解説します。
また、ミニマリストになるためのコツや、ミニマリストのメリットやデメリット、成功例についても紹介します。
ミニマリストとは、必要最低限のものしか持たず、自分の人生に本当に必要なものにフォーカスする生活スタイルのことです。
断捨離や買い物の自制などを通じて、ストレスを軽減し、時間やエネルギー、お金を節約することができます。
ミニマリストになることにはメリットとデメリットの両方があるため、自分の価値観と向き合いながら少しずつ取り組んでいくことが大切です。
ミニマリストの基本概念「ミニマリズム」とは
ミニマリストのライフスタイルはミニマリズムという考え方がベースになっています。
ミニマリズムとは、自分にとって心地よい物事に注力するために身の回りや日々の暮らしをできる限りシンプルにしようとする考え方です。
ミニマリストに「こうすればミニマリストである!」という具体的な基準は無いのですが、新しく足すことよりも減らすことにフォーカスし、今すでに手にしているものに満足するというのが基本的な価値観になります。
なぜミニマリストになるのか
ミニマリストになる理由は人によって様々です。
時間を確保して仕事やプライベートのバランスを取り、家族や大切な人との時間を最大化して人生の充実を目指す人もいれば、経済的な不安から解放されたくてミニマリストになる人もいます。
また、現代はとても一人の人間が処理できないくらいの多くの商品やサービス、情報で飽和し、目まぐるしい速度で世界が変化しています。
そうした超消費社会に疲れ、自分のペースで心地よく生活したい人がミニマリストになることもあります。
ミニマリストになる理由は様々ですが、共通して言えることは多くのミニマリストが自分の人生を自分のペースで、自分軸で生きるための手段としてミニマリズムに魅力を感じているということです。
ミニマリストの特徴
ここまでミニマリストの基本的な考え方を整理したところで、ここからはミニマリストの特徴について解説していきます。
ミニマリストはモノを大切に選ぶ
ミニマリストは、一つひとつのモノを大切に選びます。
やみくもに所有物を減らしているわけではなく、むしろ所有物を最小限に抑えるためにモノの品質やデザイン、機能性にとことんこだわって最大限の価値を発揮してくれるものを厳選するのです。
あくまで自分軸で所有するものを選ぶため、高級時計やブランド品など、いくら周囲が当たり前のように持っていても自分が必要性を感じなければ買わないという選択をする場合もよくあります。
ミニマリストはシンプルな生活を好む
ミニマリストは、シンプルな生活を好みます。
余計なものや無駄なものを取り除き、最小限のモノで生活することを心がけるのです。
例えば服は制服化したりパターンを絞ることで組み合わせを考える手間を省きます。
料理もある程度定番メニューを決めて、レシピをルーチン化している人も多いです。
このようにミニマリストは毎日の暮らしを極力シンプルにすることで、あれこれ考えるための余計なエネルギーを節約して、自分の好きなことに集中できるためストレスを減らすことができます。
ミニマリストはモノに支配されない生活を送ることができる
ミニマリストは、モノに支配された生活から解放されます。
物をたくさん持つと、片付けや整理整頓に時間やエネルギーを使わなければならずストレスを感じることが多いです。
また、住まいもたくさんのモノを収納できる広い部屋が必要になり、家賃も高くなってしまいます。
引っ越し作業自体も大変で、移動のフットワークもどうしても重くなりがちです。
しかしミニマリストはモノに縛らないため、フットワークが軽くなり、時間やエネルギー、お金をより自由に使うことができます。
ミニマリストになるためのコツ
ミニマリストになるためには、いくつかコツがあります。
モノを手放すこと以外にも、ミニマリストを継続するためには重要な要素があるのでご紹介します。
物を断捨離する
ミニマリストになるには、自分が所有しているモノを整理することが大切です。
そのため、まずは断捨離が欠かせません。
断捨離とは、必要のないモノを捨てたり売ったりして、自分にとって本当に必要なものだけを手元に残すことです。
しかし、一度に全てを断捨離するのは難しいため、自分の価値観と向き合いながら少しずつ取り組んでいくことが大切です。
買い物を自制する
ミニマリストになるためには、無駄なものを買わないようにすることが重要です。
衝動的な買い物を避け、物欲をコントロールすることが大切になります。
断捨離の過程でいろんなものを手放す経験を積むことで過去の無駄な買い物を振り返ることができるため、ミニマリストになった後は衝動的な買い物を減らすことができるようになります。
持ち物を管理する
ミニマリストになったら、持ち物の管理も大切です。
必要なものだけを持ち余計なものは置かないようにすることで、部屋や自分の持ち物がすっきりし、ストレスを軽減することができます。
自分の持ち物の数や置き場所を適切に把握することで、重複する買い物を避けることができますし、物を無くすことも激減します。
ミニマリストのメリット
ミニマリストになると生活の様子が変化して、以下のようなメリットがあります。
ストレスの軽減
身の回りの物を必要最低限のものに絞ることで、物に支配されることがなくなり、ストレスを軽減することができます。
また、物欲を制御することができるようになり、自分軸でものを買うことができるようになるため、高級車やブランド品などの他人への見栄のための買い物から解放されます。
時間・エネルギーの節約
片付けや整理整頓にかける時間やエネルギーを節約することができ、自分の時間やエネルギーを自由に使うことができます。
今まで以上に趣味や自分の好きなことに時間やエネルギー、お金を費やすことができるようになるため、日々の生活の満足感が向上します。
お金の節約
無駄なものを買わなくなることで、お金を節約することができます。
自分の物欲を制御できるようになり、衝動買いやストレス解消のための買い物を自制できるようになるため、自然と家計が改善します。
ミニマリストのデメリット
一方、ミニマリストになって生活様式や価値観が変わることによるデメリットもあります。
周囲から浮くことがある
ミニマリストは自分が必要のないと思ったものは持たないため、周囲の人が当たり前に持っているものを持っていない場合もあります。
例えばブランドの腕時計やバッグ、服などのファッションアイテムや、テレビやベッドなどの家具家電類など、普通の家庭にはあるものを持っていないというミニマリストは多いです。
なので、周囲の人からは変わり者のように見られることもあります。
世の中のトレンドに疎くなる
ミニマリストは自分に必要なものや情報以外を積極的に拾いに行かなくなるため、例えば芸能ニュースやSNS、ファッションなどトレンドの移ろいが激しいものについていくことが難しくなります。
ミニマリストに向いている人の特徴
モノへの執着が薄い人
あなたはモノが少ない、ホテルのようなすっきりとした部屋に気持ちよさを覚えますか?
モノへの執着がなく、手放したり売ったりすることに抵抗が無い人はミニマリストに向いていると思います。
逆に、「たくさんの本に囲まれているのが好き」とか「棚にお気に入りのフィギュアをたくさん並べていたい」といったように、そもそも多くの物に囲まれていることに幸福感を感じる人もいるでしょう。
そうした人の場合、無理にものを手放してしまうとかえって暮らしの満足感が損なわれてしまう可能性があるため、ミニマリストに向かないかもしれません。
周囲から浮くことに抵抗がない人
ミニマリストは一般的な人に比べるとかなり持ち物が少なく、かなりこだわりの強い人、悪い言い方をすれば神経質な人のように思われることもあります。
周囲から変わり者のように思われることもありますが、周囲の人から浮いているように思われても何ともないという人はミニマリストに向いていると思います。
ミニマリストの成功例
最近では、ミニマリストをテーマにインフルエンサーとして活躍する人たちも増えています。
彼らは、自分に必要なものに絞って生活し、ストレスを軽減すること共に、自分の人生に本当に必要なものにフォーカスすることで、豊かな暮らしを実現しています。
代表的な例として、以下の方々が挙げられます。
しぶさん
ミニマリストしぶさんは福岡県出身のミニマリストで、ブログやYouTube、インスタグラム、書籍などでミニマリスト生活についての情報発信を行っています。
自身のアパレルブランドを経営されており、ミニマリスト以外の方にも使いやすい様々なアイテムを開発されています。
実家がお金持ちから貧乏に転落して我が家にモノが溢れた経験を経て、幸せとはモノの多さではないことに気付き、ミニマリストになったきっかけは「一人暮らしがしたかったから」だそうです。
佐々木 典士さん
著書である『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』がベストセラーになった佐々木典士さん。
私がミニマリズムという概念を知るきっかけになった本でもあります。
現在はブログ『Minimal&Ism』を運営しながらフリーで活動されています。
ミニマリストになる前は汚部屋に住んでいたというのが驚きで、物や情報であふれる社会の中で自分を見失っていたと語っています。
ローランドさん
「ホスト界の帝王」として知られるローランドさんですが、実は持ち物がかなり少ないミニマリストとして知られています。
ローランドさんはTV番組の中で「頭の中と部屋の状態はリンクしている」「部屋散らかってる人で成功する人は絶対いないって断言できます」と述べており、ホストの世界で大きな成功を収められていることからもかなりの説得力がありますね。
近藤麻理恵さん
『こんまりメソッド』という片付けの方法で有名になった近藤麻里子さん。
厳密にはミニマリストという肩書での活動はされていませんが、片付けの中で「ときめくものを選ぶ」というこんまりメソッドの基本概念はミニマリズムに通じる考え方であるためここで紹介させていただきました。
現在は片付けコンサルタントとして活躍されています。
まとめ
ミニマリストとは、必要最低限のものしか持たず、自分の人生に本当に必要なものにフォーカスする生活スタイルのことです。
断捨離や買い物の自制などを通じて、ストレスを軽減し、時間やエネルギー、お金を節約することができます。
ミニマリストになることにはメリットとデメリットの両方があるため、自分の価値観と向き合いながら少しずつ取り組んでいくことが大切です。