ゲーミングPCに欠かせないPCパーツのひとつが「CPU(中央情報処理装置)」
「CPUってゲーム性能にどのくらい影響あるの?」
「ゲームにはグラフィックボードの方が大事なんじゃないの?」
そんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
実は、CPUもゲームプレイの快適さに大きく関わる重要なパーツ。
敵キャラのAI処理や、ゲーム内の演算処理、背景の読み込みなど、目に見えないところでゲームを支えています。
この記事では、自作PC経験のある筆者が、
- CPUがゲームにどんな影響を与えるのか
- どのように選べばいいのか
を、初心者にもわかりやすく解説します。

「CPUってなんとなく重要そうだけどよくわからない…」という人は、この記事を読むときっとスッキリしますよ!
CPUとは?ゲームにおける役割と重要性を解説

CPUとは「Central Processing Unit(中央処理装置)」の略で、パソコン全体の“頭脳”として、あらゆる処理をコントロールするパーツです。
文字通り、PC内で行われる命令の中心となる存在で、ゲームをプレイする上でも重要な役割を担っています。
ゲームにおけるCPUの仕事とは?
「ゲーム=グラフィック=GPUが大事」というイメージを持つ人も多いですが、実際にはGPUだけでは快適なゲーム体験は成立しません。
CPUは、次のような裏方的な処理を担っています。
- 敵キャラのAI処理(動きや行動判断)
- ゲーム内の物理演算(爆発・落下など)
- マップの読み込み・オブジェクトの配置管理
- UIやイベントの進行制御
- フレームレートの安定性(最低FPS)への影響
とくに、オープンワールドやNPCが多いゲームでは、CPUの性能が**ゲームの“滑らかさ”や“快適さ”**に直結します。
【図解】CPUとGPUの役割の違い
ここで、初心者が混乱しやすい「CPUとGPUってなにが違うの?」というポイントを、シンプルに図解で整理しておきましょう。
💡 ざっくり言えば、「中身の動きや処理」を計算しているのがCPU、その結果を見た目に反映するのがGPUというイメージです。

パーツ | 主な役割 | ゲームでの関与 |
---|---|---|
CPU | 命令処理、AI・物理演算、ゲーム進行制御など | 背景処理、AIの動き、演算処理 |
GPU | グラフィック描画、映像出力 | ゲーム画面の表示、FPSの向上 |
PCゲームにおけるCPUの役割とは?

性能が高いCPUでPCゲームをプレイしていると、「この敵の動き、頭いいな」「マップのロードが早いな」と感じる場面があります。
こうしたゲームの裏側で行われている処理の多くに関わっているのがCPUです。
GPUが画面の映像を描くのに対し、CPUはゲームの「ロジック」や「計算」の部分を担当しています。
ここでは、ゲーム中でCPUが担っている主な役割を詳しく見ていきましょう。
① 敵キャラやNPCのAI処理
CPUは、ゲーム内キャラクターの行動パターンや意思決定をリアルタイムで処理しています。
たとえば、こんなものです
- 敵がプレイヤーに気づいて攻撃してくる
- 仲間キャラがサポート行動をする
- 敵が障害物を避けたり、戦略的に動く

こうした一連の“考えて動く”処理は、すべてCPUが担っています。
② 物理演算やシミュレーション処理
爆発の衝撃でオブジェクトが吹き飛んだり、建物が壊れる様子、重力や摩擦の影響など、ゲーム世界の物理演算もCPUが担当します。
物理演算の処理が重いと、処理落ちやカクつきの原因にもなるため、CPU性能は無視できません。
③ ゲームロジックや背景処理
広大なマップを移動するとき、プレイヤーの視界外では次のマップやイベントが裏で準備されています。
こうした「見えない裏側」の処理を担っているのもCPUです。
💡 オープンワールドやシミュレーション系ゲームでは、こうした画面外での処理が重くなりやすく、CPU性能がゲームの快適さに直結します。
④ マルチタスク時の動作安定性にも関係
- ゲーム中にDiscordで通話
- OBSで配信しながらプレイ
- YouTubeや攻略サイトをブラウザで見ながらプレイ
こんなふうにゲーム+αの使い方をするときは、CPUのコア数とスレッド数がものを言います。
CPU性能が足りないとどうなる?
CPUがゲームやソフトの要求性能に追いつかないと、以下のような症状が出ることがあります。
- ゲーム内の動きがカクつく(最低FPSの低下)
- ロード時間が長くなる
- NPCの動きがもたつく、イベント進行が遅延する
- マルチタスク中(ボイスチャットや配信)で全体的に重くなる
ゲームをスムーズに・快適に楽しむには、GPUだけでなくCPUの性能も非常に重要というわけです。
ゲームジャンル別に見た「CPUの依存度」の違い

すべてのゲームが同じようにCPUに負荷をかけるわけではありません。
ゲームのジャンルによって「CPU依存度」は大きく変わります。
たとえば、FPSやバトロワのようにグラフィック中心の処理が多いゲームもあれば、
シミュレーションやMMOのようにCPUに高い負荷がかかるゲームも存在します。
ここでは、ジャンルごとにどの程度CPU性能が求められるかを見ていきましょう。
FPS・バトロワ系(Apex Legends、Valorant など)
- 処理の中心はGPUによる描画
- CPU負荷は中程度。フレームレートの安定性(最低FPS)を保つにはCPUも大事
- ゲームエンジンが軽量なタイトルならCore i5 / Ryzen 5クラスでも十分快適
🟩 推奨CPUの目安:Core i5 / Ryzen 5 以上(6コア以上)
MMO・RTS・MOBA(FF14、LoL、StarCraft など)
- 多数のキャラやエフェクト、スキル処理、イベント処理が同時進行で発生
- レイドやPvP時など、瞬間的にCPUに負荷が集中
- バックグラウンドでのAI・スクリプト処理が多く、CPU依存度が高い
🟧 推奨CPUの目安:Core i7 / Ryzen 7 以上(8コア以上推奨)
サンドボックス・シミュレーション系(Minecraft、Cities: Skylines、The Simsなど)
- 街づくりや世界生成、AI制御、オブジェクト管理などCPU処理がメイン
- グラボよりもシングルスレッド性能やが高いCPUが有利
- Mod導入などでCPU使用率が一気に跳ね上がることも
🟥 推奨CPUの目安:Core i7 / Ryzen 7以上(シングルスレッド性能重視)
✅ まとめ:ゲームの“見えない処理”を支えるのがCPU
ジャンル | CPU負荷 | 推奨グレード |
---|---|---|
FPS / バトロワ | 中 | Core i5 / Ryzen 5以上 |
MMO / RTS / MOBA | 高 | Core i7 / Ryzen 7以上 |
サンドボックス / シム系 | 非常に高 | Core i7 / Ryzen 7以上(できれば最新世代) |
💡 一見「軽そうに見えるゲーム」でも、内部的な処理が重くてCPU依存度が高いケースは意外と多いです。
快適さを重視するなら、GPUだけでなくCPUにも余裕を持った構成にしておくのが吉!
ゲーム向けCPUを選ぶ際のポイント

CPUは種類が多くて、どれを選べばいいのか迷いやすいパーツのひとつです。
ここでは「ゲーム用途」でCPUを選ぶ際にチェックすべきポイントを、初心者にもわかりやすく整理して紹介します。
コア数とスレッド数は最低6コアが目安
現在のPCゲームのCPU使用率は、昔に比べて確実に上がっています。
6コア12スレッド(例:Core i5 / Ryzen 5)クラスが最低ラインと考えておいた方が安心です。
- FPSやバトロワなら6コアでも十分
- MMOや配信併用環境なら8コア以上(i7 / Ryzen 7)を推奨
世代による性能差に注意!
- Core i7-9700(第9世代)より
- Core i5-14500(第14世代)の方が全体的に性能が上
→ 同じ「i5」「i7」でも、世代が違うと性能に大きな開きがあります。
購入時は、第何世代か(型番)を必ずチェックしましょう。
GPUとのバランスも重要
CPUが性能不足だと、どんなに高性能なGPUを積んでもその実力を引き出せません(いわゆるボトルネック)。
- RTX 4060 → Core i5 / Ryzen 5以上が推奨
- RTX 4070以上 → Core i7 / Ryzen 7でバランスが取れる
どんなパーツ構成でも必ずボトルネックは発生します。
ゲーミングPCではGPUがボトルネックになるのが性能の無駄がない理想的な状態です。
GPUの性能を十分に発揮できる性能をもったCPUを選ぶのが肝です。
配信やマルチタスクを考えるなら「上のグレード」を
ゲーム+配信、通話、ブラウザ、録画などを同時に行うなら、ゲーム用としてはオーバースペック気味でもCPU性能に余裕がある方が快適です。
✅ まとめ:自分の使い方に合ったCPUグレードを選ぼう
用途 | 推奨グレード |
---|---|
ゲームのみ(軽〜中量級) | Core i5 / Ryzen 5以上 |
重めのゲーム or MMO / シム系 | Core i7 / Ryzen 7以上 |
ゲーム+配信+ブラウジング等マルチタスク | Core i7 / Ryzen 7 以上 |
よくある誤解:「ゲームでのCPU」って敵キャラのこと?
「CPU戦」「CPU相手に練習する」「CPUが強すぎる」
ゲーム好きのあいだで、こうした表現を聞いたことがある人も多いかもしれません。
ここで使われている「CPU」は、ハードウェアとしてのCPU(中央処理装置)とはちょっと意味が違います。
ゲーム内での「CPU」は“コンピューター制御のキャラ”のこと
この場合のCPUは、プレイヤーではなく、ゲームが自動で操作している敵やキャラクターのことを指します。
今でいうところの「NPC(ノンプレイヤーキャラクター)」や「AI(人工知能)」にあたる存在です。
たとえば:
- スマブラの「CPU戦」=人間ではなく、AIによって動くキャラとの対戦
- 格闘ゲームで「CPUレベル」=敵AIの強さ設定
なぜ「CPU=敵キャラ」という呼び方があるの?
これは、アーケード時代やレトロゲーム時代から使われてきた俗語です。
当時は「コンピューターの制御」=「CPUが動かしている」と捉えられていたため、「敵AI=CPU」という表現が自然と定着したというわけです。
現代では「AI」や「NPC」という表現が主流に
最近のゲームでは、
- NPC(ノンプレイヤーキャラクター)
- AI(Artificial Intelligence:人工知能)
といった言葉の方が一般的になっています。
ですが「CPU戦」という表現も、格ゲーや任天堂系タイトルを中心にいまでも使われ続けています。
💡 ゲーム内の「CPU」は、ハードウェアのCPUとは別物だけど、“人が操作していない側のキャラ”という意味ではつながりがあります。
まとめ:CPUを理解すれば、ゲームの快適さがグッと変わる
この記事では、「CPUとはゲームにどう関係しているのか?」というテーマについて、初心者にもわかりやすく解説してきました。
✅ CPUの基本とゲームでの役割をおさらい
- CPUはパソコン全体の“頭脳”であり、ゲーム内のAIや物理演算、裏方の処理に深く関わる重要なパーツ
- ジャンルによってCPUの負荷は異なり、シミュレーション系やMMOでは特に性能が問われる
- フレームレートの安定性や、配信・マルチタスク時の動作にも影響する
✅ CPU選びは「遊び方」から逆算するのがコツ
- 「とにかく安く遊びたい」なら Core i5 / Ryzen 5
- 「重めのゲームや作業も快適にこなしたい」なら Core i7 / Ryzen 7以上
- 最新世代を選ぶと、省電力性や安定性も大きく進化している
✅ 「CPU=敵キャラ」の意味も知っておこう
ゲーム中に使われる「CPU戦」などの表現は、
昔ながらの“コンピューター相手の戦い”という意味で、現在の「AI」や「NPC」に相当する言葉です。
ちょっとした豆知識として覚えておけば、解説や会話の中で混乱せずにすみます。
CPUは見た目ではなく“中身”を支える縁の下の力持ち。
だからこそ、自分の遊び方や用途に合った選び方がとても大切です。
この知識があれば、もう「なんとなく選ぶ」から卒業できます。
ゲームがもっと快適に、もっと楽しくなる構成を目指して、CPUもしっかり選んでいきましょう!
CPUに関するよくある質問(FAQ)
ここからは、ゲーム用PCのCPU選びについて、初心者の方が特によく疑問に思うポイントをQ&A形式で解説します。
Q. 4Kでゲームをするなら、CPUも高性能なものにすべき?
A. 4KではGPU性能の方を優先すべきですが、CPUも一定以上の性能が必要です。
4K解像度では、GPU負荷が増えて必然的にフレームレートが下がり、CPUの仕事も減るためCPUの影響は相対的に小さくなります。
ただし4Kゲーミングをするためにはミドルクラス以上の高性能なGPUが必要。
高性能GPUの性能を引き出すためには、ある程度高性能なCPUが必要になるため、Core i7 / Ryzen 7以上を選ぶと安心です。
Q. IntelとAMD、どっちを選べばいいの?
A. 2025年現在、性能・価格ともに拮抗しているので、好みや用途で選んでOKです。
- Intel:いろいろなソフト動作の安定性や互換性に定評あり。ビジネス用途にも強い。
- AMD:価格に対する性能(コスパ)が高く、マルチスレッド性能も優秀。
どちらのメーカーも最新世代であれば、ゲーム用途に十分な性能を発揮してくれます。
Q. i5とi7、Ryzen 5とRyzen 7は何が違うの?
A. 主に「コア数・スレッド数・キャッシュ容量」の差があります。
- i5 / Ryzen 5:中堅クラス。多くのゲームで必要十分な性能
- i7 / Ryzen 7:上位クラス。重めのゲームや配信、マルチタスクに強い
- i9 / Ryzen 9:最上位クラス。ロマン
💡 迷ったら「自分がどれくらいの用途まで想定しているか」を基準にしましょう。
ゲーム+作業や長く快適に使いたいなら、i7 / Ryzen 7が安心です。
Q. 何世代くらい前のCPUまでならゲーム用に使える?
A. フルHDなら第10世代Intel / Ryzen 3000番台以降が現実的なラインです。
たとえばCore i7-7700やRyzen 5 1600など、第7世代以前のCPUは最新GPUとの組み合わせで性能を発揮しきれないことがあります。
コスパや安定性を重視するなら、できるだけ新しい世代を選ぶのがおすすめ。
Q. CPUの温度が高いとどうなるの?
A. 一定以上に熱くなると、CPU性能が落ちる「サーマルスロットリング」が起きます。
冷却不足のまま高負荷をかけると、
- ゲーム中のフレームレート低下
- 動作が不安定になる
- パーツ寿命の低下
といったトラブルにつながります。
ゲーム用途なら、標準クーラーより冷却性能の高い空冷・簡易水冷の導入も検討しましょう。