このたび人生で初めて引っ越し業者に引っ越しを依頼しました。
今までは軽トラで自力で引っ越していましたが、さすがに家族3人となると家具家電も大きく、荷物も多いためなかな難しい…
それでも、家族3人・2LDKの引っ越し費用を15万円 → 74,800円まで値引きしてもらうことに成功しました。
特別なスキルやコネがあったわけではありません。
相見積もりを匂わせたり、時期を見極めたり、少しだけ営業さんと仲良くなったり――
少しの工夫で、ここまで価格が変わるんだということを実感しました。
「引っ越しってどれくらいかかるの?」「値引き交渉って実際どうやるの?」
そんな方に向けて、実際の見積もり金額の推移や交渉のコツについて、備忘録として残しておこうと思います。
家族3人、2LDKの引っ越し費用はどれくらい?
正直に言うと、私はこれまで“軽トラでの自力引っ越し”しか経験がありませんでした。
主に家族に手伝ってもらいつつ、なんとか荷物を詰め込んで運ぶ――
そんなスタイルが当たり前だったので、業者に正式に依頼するのは今回が初めてです。
そのため正直なところ「引っ越し業者に頼むと、いくらぐらいかかるのか?」という相場感すら持っていませんでした。ネット検索やAIに聞きながら情報を集めたところ、家族3人・2LDK・市内(5km以内)の引っ越しであれば、時期によって7〜10万円くらいが相場というのが分かってきました。
引っ越し時期は5月。繁忙期(2〜4月)を過ぎた閑散期に入っていると見て、予算としては10万円以内に収まれば御の字かなという気持ちで臨むことに。
なお、当初は「梱包は自分たちでやるつもり」でした。少しでも安く済ませたかったので、できるところは手間をかけて削ろうと思っていたわけです。
……が、最終的には業者による梱包込みプランを選ぶことになります。その理由や経緯についてはのちほど。
最初に提示された見積もり額は15万円
今回お願いしたのは、誰もが一度は耳にしたことのある某パンダのマークでおなじみの大手引っ越し業者。
特別なこだわりがあったわけではなく、相見積もりサイトで一斉に見積もり依頼をかけた中で、最初に連絡が来て一番早く訪問日が決まったのがこの業者だった、というだけの理由です。
営業担当の方は40歳くらいの男性で、テキパキとした印象で丁寧さがあり、非常に話しやすい雰囲気。
お子さんが我が子と年が近いらしく、子育てトークも盛り上がりながらさっそく我が家の間取りと荷物量を確認して、見積もりを作ってくれました。
提示された金額は、税込およそ15万円。
もちろん、最初の提示金額が“そのままの請求額になる”とは思っていません。
いわゆる営業トークの基本で、「まず高めに出して、ここから値下げ交渉」という流れになるのは想定済みでした。
実際、営業さんからも「私の裁量で最大30%程度まではお値引き可能です」といった説明があり、そこから値引き後の提示額は10万円ちょいに。
……ただ、正直言ってもまだ「高いな」と思ってしまいました。
というのも、事前に自分で調べた相場では、「この条件なら8~9万円台くらいが見えてもいいのでは?」と感じていたからです。
営業さんから「ぶっちゃけ、いくらぐらいで考えていらっしゃいました?」と聞かれたとき、私は正直に「8万円台くらいで考えてました」と答えました。相場を把握している“雰囲気”を出しておきたかったのもありますが、それ以上に、この場でしっかり意志を示しておくことで、より良い条件を引き出せるのではという期待もありました。
値引き交渉で私がやった5つのこと
営業さんとの見積もり面談が始まってしばらくすると、「この人、ある程度は交渉に応じてくれそうだな」と感じました。もちろん、値下げを引き出すためには“それなりの動き方”が必要です。
ここでは、実際に私が意識してやった5つの交渉テクニックを紹介します。
① 相見積もりの可能性を匂わせる
実際に相見積もりは取る予定でしたが、「他の業者さんにも見積もりを依頼しているので、いろいろ見てから決めるつもりです」と、“即決はしない”スタンスをはっきり伝えました。
これは営業側にとってプレッシャーになります。
「この場で決めてもらえるかどうか」は、価格交渉における大きな判断材料です。
競合がいると分かれば、営業さんも本気の値段を出さざるを得ません。
② 相場を把握している雰囲気を出す
「だいたい8万円台くらいでお願いできたら…と考えていて」と伝え、相場を調べている=足元を見られない客という印象を与えるようにしました。
ネットで調べたざっくりした相場でしたが、それでも言葉にしておくことで、“この人に雑な価格は出せないな”という牽制になります。
③ 閑散期であることをさりげなく示す
私が引っ越しの見積もりを取ったのは5月上旬で、引っ越し予定日は6月中旬。
そのため見積もりの合間に「4月の繁忙期は大変だったでしょう」というトークを自然な会話の流れで挿し込むことで、繁忙期が過ぎていることを把握していることを匂わせていました。
引っ越し業者は2~4月が最も忙しい時期なので、引っ越し価格も上がりやすくなります。
しかし繁忙期がそれが終わった後の仕事は貴重。
閑散期であることを客側が認識していることが分かれば、少なくともぼったくり価格を提示されることを避けられます。
ちなみにあまり知られていませんが引っ越し業界は7~8月はプチ繁忙期らしいです。
話を聞くと子供の長期休暇に合わせて引っ越しするファミリー層が増えるため、実は年に2番目に忙しい時期だとか。
④ 営業さんと雑談で信頼感をつくる
これは結果論かもしれませんが、雑談で盛り上がったのも大きかったと思います。
たまたま子育ての話題になり、こちらも小さい子どもがいることを話すと営業さんのお子さんも年が近いようでした。
「子どもがいるとものが増えますね〜」「お昼寝中に梱包進めるのが勝負です(笑)」なんて話をしているうちに、フランクな空気感で見積もりづくりが進んでいきました。
⑤ 「この価格なら即決します」とラインを示した
ある程度話が進んだところで、「それくらいの価格なら、ここで決めてもいいと思ってます」とこちらの“即決ライン”を提示。
結果的に、提示されたのは74,800円(しかもおまけで害虫駆除付き)という驚きの価格。
営業さんも「この価格なら即決してもらえますか?」と探るような形で提案してくれました。
こうして、私は予定していた予算(10万円)を大きく下回る形で、しかもサービス内容にも満足できる条件で契約をまとめることができたわけです。
交渉の結果、まさかの74,800円!(梱包&害虫駆除つき)
営業さんとのやりとりを経て、最終的に提示された金額は――税込74,800円。
「えっ、本当にそれでいいの?」と、思わず聞き返しそうになるような金額でした。
しかも、もともと自力でやるつもりだった梱包作業も込み。
さらにオプションサービスである室内害虫駆除(通常15000円くらい)まで付けてくれるという大盤振る舞い。
私も引っ越し費用をできるだけ安くするために相見積もりを取るつもりでしたが、それらをすり合わせるのも正直面倒だなと思っていたところ。
最初からこれだけ安くしてもらえるなら願ったり叶ったりです。
想定以上の値下げに驚きつつも、すぐに「その価格なら即決します」とお返事しました。
あらかじめ「8万円台なら即決」と伝えていたこともあり、営業さんとしても「ここで決めてくれるならこの条件でいきます」といった空気でした。
梱包や害虫駆除のサービスも付いたことで、金額面だけでなくサービス内容も含めて納得感のある条件で契約できたと思っています。
もしかしたら営業さんの頭の中では「この価格まで下げる」という筋書きが最初からできていて、すべては交渉を演出する“プロレス”だった可能性もあります。
それでも、相場から見てもまったくもって妥当、むしろこの内容でこの金額なら十分に安い部類に入ると感じたため、少なくとも見積もり時点では満足度の高い結果となりました。
なぜこの価格になったのか?分析してみた
今回の見積もり結果は、相場と比べてもかなり割安になったように思います。
なぜ、大手引っ越し業者がこの金額でOKを出してくれたのか。
ここでは、自分なりにその理由をいくつか分析してみたいと思います。
① 閑散期(5月)だったから
最大の要因はなにより引っ越しシーズンのピークを過ぎていたこと。
繁忙期に同様の交渉をしても、ここまで安くしてもらうのはまず無理だったでしょう…
引っ越し業界では2月〜4月が繁忙期で、特に3月は引っ越し費用が跳ね上がる時期。
逆に5月以降は比較的依頼も落ち着き、業者側としても「とにかく仕事を取りたい」モードに入りやすくなります。
(ファミリーの引っ越しが多い7~8月、社会人の異動が多い10月もプチ繁忙期とのことですが…)
閑散期であることをこちらから会話の中で自然に触れたことで、高額な金額を提示されるのを避けられたというのもあるでしょう。
② 即決可能な顧客だと判断された
「この価格なら即決します」と伝えたことで、営業さん側としても「ここで話をまとめたい」という動機が明確になったと思います。
引っ越し業者にとって、“その場で決めてもらえるかどうか”は大きな判断材料。
価格だけなら他に安い引っ越し業者はあるため、相見積もりを取られると他に流れるリスクが高いと思われたのでしょう。
実際、見積もり中も「うちは業界最安値ではありませんが、弊社のサービスを一度経験してほしい」とサービス品質の高さをアピールしていました。
価格勝負じゃ勝てないことが初めから分かっていたのだと思います。
即決の可能性を感じてもらえたからこそ、最終的な価格のラインまでぐっと下げてくれたのではないかと思っています。
③ 新規顧客としてマークされた
見積もりの冒頭で、「いままで弊社を利用されたことはありますか?」と聞かれました。
私は業者を使ったこと自体が初めてだったので、もちろんパンダの引っ越し屋は使ったことがありません。なので正直に「初めてです」と伝えていました。
業者としては新規顧客は放っておくわけないため、今後のリピートに繋げるためにも印象を良くしておく必要があります。
そのため長期的な投資のような意味で、この場の価格を下げてくれた可能性はあります。
④ 営業さんの人柄と裁量の広さ
そして最後に、やはり営業さんとの相性も大きかったと感じています。
最初はビジネスライクなやりとりから始まりましたが、途中で子育てトークをきっかけに、徐々に会話が柔らかくなり、雑談を交えながら壁が少し低くなったような気がします。
この“雑談できる関係性”があったからこそ、「この価格なら決めてもらえますか?」といった柔らかいクロージングが成立したのではと感じています。
引っ越しを安く済ませたい人へのアドバイス
今回の引っ越しで私自身かなり学びがあったので、これから引っ越しを考えている方に向けて、“実際に使える”値引きのコツや考え方をいくつかまとめてみます。
● 単身?家族?時期?条件で相場は全然違う
引っ越し費用は、荷物の量や移動距離はもちろん、人数・間取り・引っ越し時期・曜日・時間帯でも大きく変わります。
引っ越しシーズン(2〜4月)は、通常期の1.5〜2倍になることもザラです。逆に5〜1月の閑散期を狙えば、値引きの余地はグッと広がります。
まずは自分の引っ越し条件に近いケースの相場感をざっくり掴んでおくことが第一歩です。
● 値引き交渉で意識したい「心理」と「言葉」
営業さんは、毎日のように引っ越し見積もりをこなしているプロです。こちらが何を重視しているか(価格?安心感?スピード?)を見ながら、言葉や態度を調整してきます。
だからこそ、こちらも戦略を持って臨むのが大事。
- 相見積もりを予定していることを匂わせる
- 即決しないスタンスをあえて見せる
- 「この価格なら即決します」とゴールを明確に伝える
- “相場感を知ってますよ”という雰囲気を出す
- 営業さんと少しでも雑談して距離を縮める
このあたりを意識して交渉すると、相手も「よし、ちょっと頑張ってみようか」と感じてくれる可能性が高まります。
● 相場を知っているだけで、交渉力は変わる
実際、「この内容なら8万円台くらいが相場かな」と思っていたことを営業さんに伝えた時点で、“無知な客”ではない印象を与えられたと思います。
営業側からすれば、「相場を把握していて、他社とも比較しそうな客」は、無理に高値を出せない相手。
逆に、何も知らなそうな態度でいると、“盛れるだけ盛っておこう”と思われやすくなります。
完璧に知識武装しなくてもいいので、「ちょっと調べてきた」くらいの姿勢を見せるだけで、価格交渉の地盤が整います。
引っ越しって何かとバタバタしがちですが、“一社目で即決しない”だけでも数万円単位で差が出ることもあります。
私は今回たまたま1社目で相性の良い営業さんと当たったため即決できましたが、基本的には複数の業者に相見積もりを取って、価格を競わせるのがおすすめ。
しかし相手もビジネスなので最安値にこだわりすぎるとかえって心証を悪くします。
相見積もりは手間も決して小さくはないため、最安値にこだわりすぎず、ある程度納得できる内容の見積もりが出たらそこで着地するのもストレスなく引っ越しをするポイントかなと思います。
まとめ:引っ越しは情報とタイミング、そして人の縁!
引っ越しは、人生の中でもそこそこ大きなイベント。
そしてそれに伴う「見積もり」と「交渉」は、少しの工夫で結果が大きく変わる場面でもあります。
今回私は、家族3人・2LDK・市内引っ越し(梱包込み)という条件で、最終的に74,800円(税込)+害虫駆除つきという内容で契約できました。
相見積もりを匂わせたり、相場を調べている様子を見せたり、営業さんと信頼関係を築いたり――
あれこれ小技を使ったつもりですが、振り返ってみれば、「しっかり準備して、会話の中で自分の希望をはっきり伝えた」というシンプルな姿勢が、最終的に満足のいく結果につながったのだと思います。
もちろん、すべてがこちらの努力の結果というわけでもなく、たまたま良い営業さんに出会えたという“運”の要素もあります。
でも、だからこそ思うのは――
引っ越しは、「情報」と「タイミング」、そして「人との縁」も大事
ということ。
これから引っ越しを予定している方が、少しでも良い条件でスムーズに引っ越せますように。
私の体験が、少しでもその参考になればうれしいです。