2023年6月16日公開の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を早速観てきました!
アメリカでの公開後、週末3日間(6月2日~4日)で興行収入1億2050万ドル(約169億円)を記録し、全米オープニングNo.1となるロケットスタートを切った本作ですが、映像、音楽、シナリオすべてが最高で前評判に恥じない大満足の映画でした!
前作と同じくマルチバース要素の多い作品で、新しい情報も盛りだくさんの今作なので、劇中で疑問を感じやすいポイントについて解説していきます。
【注意】この記事には最新映画である『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』と、前作の『スパイダーマン:スパイダーバース』のネタバレを含みます!
ネタバレを見たくない方は、鑑賞後にまた読みに来ていただけますと幸いです。
映像も音楽もシナリオも、スパイダーマン映画史上の最高の仕上がりになっているので、ぜひ観てほしい作品です!
配信サイト
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前作『スパイダーマン:スパイダーバース』のおさらい
前作のあらすじ(クリックで展開)
13歳のマイルス・モラレスはニューヨーク・ブルックリンに住む少年。
父のジェファーソンは警察官であり、ニューヨークでヒーローとして活動するスパイダーマンのことを快く思っていなかった。
ある日、尊敬する叔父のアーロンと高架下でグラフィティ(スプレーアート)に興じていた際に突然変異したクモに嚙まれて超人的な力を手に入れるが、その力を使いこなせずにいた。
そんなあるとき、マイルスはヴィラン”キングピン”が量子加速器を用いて異次元への扉を開ける実験を行っているところに偶然居合わせてしまう。
スパイダーマンことピーターパーカーは加速器を止めようとするが、加速器は誤作動を起こしピーターは重傷を負ってしまう。
スパイダーマンはマイルスに加速器のキーとなる小型メモリを託し、キングピンにとどめを刺されてこの世を去ってしまう…
親愛なるスパイダーマンの死に悲しみに暮れるニューヨークとマイルズ。
その時マイルスの前に、死んだはずのピーター・パーカーが表れる。
キングピンの加速器の誤作動により、別次元から様々なスパイダーマンがマイルスの次元に召集されてしまっていたのだ。
しかし彼らは別次元に長く留まると死んでしまうことが明らかになる。
スパイダーマンたちは協力して元の次元に変える方法を模索するが、未熟なマイルス抜きで行動を始めようとしていた。
自らの役割に葛藤するマイルス。
叔父のアーロンに悩みを打ち明けに行くと、そこに現れたのはキングピンの手下”プラウラー”であり、その正体こそアーロンであった。
その後マイルスはスパイダーマンとしてプラウラーと戦闘になり、捕まって殺されそうになったところでとっさにマスクを外して正体を打ち明ける。
驚いたアーロンは愛する甥であるマイルスを殺すことは出来ず、その後キングピンによって射殺されてしまう。
スパイダーマンたちは元の次元に戻るためにキングピンの加速器の奪取に向かうが、まだ力を使いこなせないマイルズには荷が重すぎると考えてマイルスを部屋に縛り付けた。
悲しみに暮れるマイルスであったが、父ジェファーソンの愛情あふれる言葉に奮起してスパイダーマンとしての真の力を覚醒させる。
キングピンの加速器を巡って戦っていた仲間たちのもとに駆け付けたマイルスは、戦闘のさなかに異次元へのポータルをこじ開け、グウェン達を元の世界に送り出すことに成功した。
残されたマイルスは死闘の末にキングピンを倒し、加速器を破壊することに成功するのだった。
その後、マイルスは父ジェファーソンと共にアーロンを称えるグラフィティを描き、2代目スパイダーマンとして戦い続けることを決意する。
『アクロス・ザ・スパイダーバース』のあらすじ
ピーターパーカー亡き後にスパイダーマンを継承したマイルス・モラレス。
グウェンと再会を果たしたマイルスは、様々なユニバースから選抜されたスパイダーマンたちが集まる「スパイダー・ソサエティ」を訪れる。
しかし、そこで目の当たりにしたのは「愛する人と世界両方は救えない」というかつてのスパイダーマンたちが受け入れてきた悲しき宿命だった。
それでも両方を守り抜くと誓うマイルズであったが、その大きな決断がやがてマルチバース全体を揺るがす最大の危機へと繋がっていく…
運命を変えようとするマイルスに立ちはだかったのは、無数のスパイダーマン達であった。
主な登場人物
- マイルス・モラレス(スパイダーマン)
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ニューヨーク・ブルックリンに住む高校生。ピーター・パーカー亡き後、スパイダーマンを継承する。
別次元から来たグウェンに密かに恋心を寄せる。
スーパーヒーローとしての試練を乗り越え一人前になったに思えたが、今作でスパイダーマンの哀しき運命に直面する。 - グウェン・ステイシー(スパイダー・グウェン)
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マイルスのよき理解者でもあるスパイダーウーマン。
ドラムが得意だが、高校のバンドに馴染めずにいる。
とあるきっかけでスパイダー・ソサエティに加入することになる。 - ミゲル・オハラ(スパイダーマン2099)
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マルチバースの秩序を守るために各ユニバースから最強のスパイダ ーマンたちを結集させたスパイダ ー・ソサエティを創設。
まじめで厳格な性格の持ち主で、悪党たちを捕まえてそれぞれのユニバースに送還することを使命としているが、マイルスのことを危険視している。 - ピーター・B・パーカー(スパイダーマン)
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マイルスを導いた師匠的な存在で、マイルスのことを大切に思っている。
娘のメイデイはピーターとMJの娘で、スパイダーセンスや可愛さにおいてすでに卓越したスーパーパワーを見せている。 - ホービー・ブラウン(スパイダー・パンク)
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ロックギターを操り、音波を武器として使いこなすクールで自由主義なスパイダーマン。
グウェンと親しいようで、マイルズが焼きもちを焼いている。
70 年~80 年代のロンドンと、現代のニューヨークを混ぜ合わせたような一風変わったユニバースからやって来た。 - パヴィトル・プラパカール(スパイダー・インディア)
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ムンバッタン(ムンバイ+マンハッタン)出身のスパイダーマン。
バングルと糸を自在に操る陽気な楽観主義者で、神秘的なシャーマンによってスパイダーパワーを手に入れた。 - ジェシカ・ドリュー(スパイダー・ウーマン)
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巨大なバイクを颯爽と乗りこなす超クールなスパイダーウーマン。
生まれてくる子供のためにも世界の平和を守ることに全力を尽くし、グウェンを含む次世代のスパイダーピープルたちの優れた指導者でもある。
妊娠中なので本当に無理はしないでほしい… - ザ・スポット
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ブルックリンに突如現れたヴィラン。
体中の黒い斑点は全てワームホールで、マルチバースを移動する能力を得る。
自分の全てを奪ったスパイダーマンのことを恨んでいる。
劇中の疑問ポイントを解説
ヴィラン「ザ・スポット」って誰?
前作でDr. オクトパスと一緒に働いていた研究員が変異したヴィランです。
今作で突然現れた異形のヴィラン「ザ・スポット」。
誰やねん!と思った人も多いでしょう。
彼の正体は、キングピンの研究所でDr.オクトパスと一緒に働いていた研究員でした。
前作「スパイダーバース」の終盤でキングピンの量子加速器が爆発した際、その爆発に巻き込まれて自分の体が変異してしまったのです。
全身が白い肌に変わり、黒い穴(ポータル)を操ります。
その姿から仕事を失い、親にも会えず、すべてを奪ったスパイダーマンのことを恨んでいます。
スポットはひょんなことからマルチバースを行き来する力を自覚し、その力を増幅するためにアルケマックスの加速器を使う計画を画策しています。
なぜミゲルはマイルスのことを危険視しているの?
マイルスは本来生まれるはずの無かったスパイダーマンで、マルチバースの異端分子だからです。
もともとマイルスのいた世界(アース1610)にはすでにピーター・パーカーのスパイダーマンが存在していました。
しかしマイルスがたまたま別次元からきたクモに噛まれてスパイダーマンの力を手に入れたことで、その世界の秩序が乱れてしまったのです。
本来なら前作でマルチバースのポータルが開くことなくキングピンを倒せた予定だったのに、マイルスがスパイダーマンになって戦いに介入したことで、キングピンは倒されることなく加速器は起動されてしまいました。
そのせいでポータルが開いていろいろな次元のヴィランが他の次元に現れるようになり、ミゲルが他次元に移動したヴィランを捜索・送還する羽目になったというわけです。
全てのイレギュラーの発端がマイルスなので、危険視しているわけですね。
なぜマイルスはスパイダーマン達に追われることになったの?
スパイダーソサエティでマイルスはスパイダーマンの悲しい宿命を目の当たりにします。
それは「身近な警察署長を亡くしてしまう運命」でした。
この悲しい運命は、あらゆるスパイダーマンのアイデンティティを守るために必要不可欠なイベントであり、この運命を変えてしまうとその次元だけでなくマルチバース全体が連鎖的に崩壊する危険性があるのです。
マイルスの父ジェファーソンは警察官であり、間もなく警察署長への昇進を控えていました。
このままでは2日後にマイルスは父を失ってしまうと分かり、マイルスは父を守るために慌てて元の世界に戻ろうとします。
ソサエティのリーダーであるミゲルは、己の過ちから過去に一度マルチバースの崩壊を引き起こしていました。
そのトラウマから、二度とマルチバースの崩壊を起こしてはならないという使命感でマイルスを拘束しようとします。
スパイダー・パンクはなぜミゲルから離反したの?
スパイダー・パンクことホービーはもともと自由主義者で反権力的な人物だからです。
その見た目通りのロックな性分で、表面上はミゲルに橋梁しているようでしたがスパイダーマンとして運命が定められているということや、組織に属していることに不満を感じているようでした。
そんな中、自らの運命を壊そうと奮起するマイルズの姿を見て組織を抜ける決心がついたのかもしれません。
物語の終盤では、自らの悲しい運命を打破したグウェンをサポートするために海賊版の次元移動用デバイスを送るなど、奔放な性格ながら頭の良さや策士ぶりを感じさせる場面もありました。
スーツデザイン、素顔も超カッコいいので、次回作での活躍が期待されます!
なぜマイルズは別次元(アース42)に帰還してしまったのか?
マイルスのスパイダー因子はアース42由来のものだからです。
マイルスはスパイダーソサエティを脱出する際にゴーホームマシンに飛び込み、元の世界(アース1610)に戻ると思われました。
しかし帰還したのは元いた世界(アース1610)ではなく、別次元(アース42)でした。
劇中にて、ゴーホームマシンはDNAを読み取って対象を本来の次元に転送すると解説されていましたが、おそらくマシンが読み取ったのはマイルズ自身のDNAではなく、マイルズのスパイダーマンDNAだったと考えられます。
マイルズを噛んだ放射性のクモはアース42から来たもので、つまりマイルズのスパイダー因子はアース42に由来するものなのでアース42に帰還してしまったというわけです。
グウェンが結成した新しいスパイダーチームは今後どうなる?
スパイダーマンの悲しい運命を変えることができると知ったことで、別次元に転送されたマイルスを救出に行くと考えられます。
グウェンはマイルスに肩入れしたことで、ミゲルによってスパイダーソサエティを追放されてしまいます。
元の世界に戻ったグウェンでしたが、その世界で警察署長である父親との確執から居場所がありませんでした。
しかしお互いに警察署長、スパイダーマンとしての立場を捨てて対話したことで、父親は警察を辞めてグウェンに寄り添うことを決意したのです。
「身近な警察署長を亡くす」という運命を変えることに成功したグウェンは、ピーターBや前作の仲間たち、インディア、パンク達を集めて自分の「バンド」を結成しました。
いずれのメンバーもマイルスに寄り添ってくれるメンバーのため、次回作ではマイルス救出のためにアース42に向かうと予想されます。
アース42ではなぜマイルスがプラウラーになってしまったの?
アース42はスパイダーマンがいない世界だからだと考えられます。
もともとアース1610にいるマイルスを噛んだのは、アース42から来たクモでした。
そのためアース42ではスパイダーマンが生まれるきっかけが失われてしまい、ヴィラン達が勢力争いをする荒れた世界になってしまったと考えられます。
問題は、マイルス・プラウラーが果たしてヴィランなのかどうかです。
マイルスは本来正義の心を持つ人物なので、アース42ではプラウラーとしてヴィランと戦っている可能性も考えられます。
次回作でアース1610のマイルスとどのような関係になるのかが気になりますね。
次回作はいつ公開?
次回作『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』は2024年3月29日にアメリカ公開が予定されています。
今回のアクロス・ザ・スパイダーバースは、日本ではアメリカ公開から2週間程度遅れて公開されましたので、日本公開は2024年4月上旬ごろと予想されます。
マイルスたちの運命はどうなるのか…楽しみに待ちましょう!