ミニマリストになると、身の回りのいろいろなものを厳選し、不要なものをどんどん手放して身軽になっていきます。
その中で、「自家用車を手放すことは出来ないか?」と考えるようになるミニマリストもいます。
実は私自身も、断捨離の効果を実感したときに「どうにかして車を手放すことが出来ないだろうか」と考えたことがあります。
しかし結論としては「私の生活に自家用車は必要」と判断して、車を持ち続けることになりました。
この記事の先に結論を言ってしまうと、ミニマリストになれば自家用車を手放せるかどうかは一概には言えません。
自家用車をは手放す判断は慎重にした方がいいです。
理由は後述しますが、安易に車を手放してしまうとかえって生活の質が落ちてしまう可能性もあるからです。
今回は、ミニマリストになると自家用車を手放すことは出来るのかということについて解説してきます。
ミニマリストだからといって、一概に自家用車を手放せるわけではありません。
自家用車を手放せるかどうかは、生活エリアの交通網や経済状況、車が好きかどうかによるので、自分の生活エリアや価値観など、身の回りの状況をよく考えてから判断する必要があります。
車の所有欲が低く、公共交通機関やタクシーで無理なく代替できるようであれば、車を手放すことを検討してもいいかもしれません。
完全に車を手放すことが難しければ、ダウンサイジングすることで車にかかる維持コストを下げることもできます。
車が好きなら無理に手放す必要はない
まず最初に、あなたが車が好きで、趣味やライフワークとして車と生活を共にしているなら無理に手放す必要はないと思います。
ミニマリズムとは、自分の好きな物事のためにそれ以外をそぎ落とす考え方です。
つまり「物を減らすこと」はあくまで自分の人生を充実させるための手段に過ぎないのです。
ミニマリストになる過程でたくさん物を手放していると、いつの間にか手放すこと自体が目的化してしまい、自分や生活に必要なものまで手放しそうになってしまうことがあります。
もし車を手放した後の生活を想像してみて、趣味や楽しみ、利便性の喪失につながるようであれば、無理に手放す必要はないでしょう。
自家用車を持つと多くのコストがかかる
一方で、車自体にそれほど思い入れが無く、あくまで交通手段として車を持っているという人にとっては車は金食い虫のように感じるでしょう。
車は乗る頻度に関わらず、所有しているだけでかなりのお金がかかります。
私が保有する車(ホンダVEZEL)を例に、概算でざっと列挙するだけでも以下の通りです。
車体代金(中古) | 約160万円 |
ガソリン代 | 約60,000円(年間) |
駐車場代 | 約90,000円(年間) |
任意保険 | 約40,000円(年間) |
自賠責保険 | 約20000円(2年毎) |
自動車税 | 約35000円(年間) |
重量税 | 約25000円(2年毎) |
車検基本費用 | 約30000円(2年毎) |
整備諸費用 | 約20000円(年間) |
仮に今の車に今後10年乗ると考えても、総費用を毎月の出費にならすと約35,000円にもなります。
車を保有するということは、これだけの金銭的コストを抱えるということなのです。
また、お金だけではなく、洗車などの手入れや、車検などの諸手続きにかかる時間的、労力的コストも忘れてはいけません。
事故などが起きればその対応にも時間を取られますし、多かれ少なかれ修理費用も追加で発生します。
このように自家用車を所有すると多くの金銭面・管理面でのコストがかかるため、ミニマリストが「これらから解放されて自由になりたい!」と考える気持ちは私としても良く分かります。
実際私も、「これだけの出費から解放されればかなり家計が楽になるのでは??」と考えて車を手放すことを考えたこともあります。
自家用車を手放すとどうなるのか
それではここからは実際に車を手放すとどうなるのか、どのようなメリットとデメリットがあるのか整理してみましょう。
自家用車を手放すメリット
所有コストから解放される
車を手放すことで、前述の金銭面・管理面でのコストから解放されます。
毎月自家用車のために支払っていたお金が浮くため、家計が大きく改善することが期待できます。
また、洗車や手続きなどの手間も不要になるため、自由に使える時間が増えます。
このように車のために費やしていたお金や時間などのリソースを、他の大切なことに振り向けることが出来るようになるため、より生活の質が高まるかもしれません。
健康に良い
自家用車を手放すことは心身の健康につながります。
自家用車を持っていると、ちょっとした距離でも車で移動するようになり運動不足に陥りがちです。
しかし自家用車を手放すと、自然と歩いたり公共交通機関を利用することになります。
それによって運動不足の解消や健康維持につながるため、自家用車を手放す前に比べて健康状態が改善するでしょう。
エコである
自家用車を手放すということは、地球に優しくエコなことでもあります。
自家用車を手放せば、自然と徒歩移動したり、公共交通機関や自転車を使う機会が増えるでしょう。
そうすると、それまで自家用車から排出されていた排気ガスが無くなるため、地球環境への負荷を和らげることが出来ます。
また、もしあなたが今後自家用車を持つことが無ければ、その分新しい自動車を作らずに済むため、自動車製造に必要な資源やエネルギーを節約することができます。
1人が自家用車を手放したときの地球環境への影響は微々たるものですが、それでも確実に地球の資源や環境を守ることにつながるでしょう。
自家用車を手放すデメリット
自動車を手放すメリットがある一方で、デメリットも見逃すことは出来ません。
移動の自由度が下がる
まず考えられる自家用車を手放すデメリットは、移動の自由度が下がることです。
自家用車は維持コストが掛かる一方で、移動手段としての自由度はあらゆる交通手段のなかでもトップクラスです。
自家用車が無い場合、公共交通機関が少ないエリアや、場所や徒歩や自転車などでは移動が大変な山間部などでは特に不便になる可能性が高いです。
また、徒歩や公共交通機関は天候の影響も受けやすいため、やはり自家用車ほど自由に移動することは難しくなるでしょう。
移動に時間がかかるようになる
自家用車が無いと移動に時間がかかるようになります。
言わずもがな徒歩の移動スピードは車よりも遅いですし、公共交通機関は便数やルートに限りがあるため、どうしても目的地に行くまでに待ち時間や乗り継ぎの手間が発生します。
なので同じ目的地に行くにも、自家用車で移動していた場合よりもより時間がかかってしまうことも多いです。
また、公共交通機関は混雑や遅延が発生しうるため、移動の際にストレスになる可能性もあります。
荷物の運搬が制限される
自家用車が無いと荷物の運搬が制限されます。
自家用車があればある程度の大きさや重さの物の運搬できますが、徒歩や公共交通機関だとカバンに収まるくらいのものしか運べません。
なので日々の買い出しの量も制限されますし、家具や家電を買ってもそのまま持って帰ることは難しくなるでしょう。
また、育児や介護をしている人にとっては、送り迎えや荷物の運搬で車が必要な場面が多いため、車を手放してしまうと負荷が上がってしまうかもしれません。
自家用車を手放しても問題ない条件
それでは、具体的にどのような場合に自家用車を手放すことができるのでしょうか。
ここからは、私が考える自家用車を手放しても問題ない条件について考えていきます。
公共交通機関やタクシーで無理なく補うことができる場合
まずは自家用車を手放すには、公共交通機関やタクシーで無理なく補うことができることが最低条件になると考えます。
自分の生活エリアの中でバスや電車などの公共交通機関で不便なく移動することができるかどうか、
公共交通機関やタクシーで代用しても自家用車の維持コストよりも高くならないかということをよく考える必要があります。
また、公共交通機関が網羅されている場合でも、たとえばバスが1時間に1本しかないような場合だと、待ち時間が長くなったり、移動の自由度が大幅に制限されてストレスになる場合もあります。
自分の生活スタイルや移動時間を考え、時刻表の制約が許容範囲内であるかどうかをあらかじめシミュレーションするといいでしょう。
もし公共交通機関やタクシーで、金銭的、時間的に無理なく代用できるようであれば、自家用車を手放しても問題なく生活できると思います。
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自家用車の所有欲がない
公共交通機関で無理なく代替でき、そもそも自家用車への所有欲が無いようであれば後悔なく手放せると思います。
そもそも、何となく車を所有しているという人は意外といます。
親から譲ってもらったとか、「社会人なら車を持った方がいい」と言われて何となく車を買ったはいいものの、徒歩通勤できるからさほど使っていないという人は私の周囲にもちらほらいます。
このように、もともと自分の必要性と関係なく車を所有している場合は、手放して問題ない場合もあると思います。
しかし、その場合でも前述のように公共交通機関などで無理なく代用できるかどうかは確認した方がいいでしょう。
自家用車をダウンサイジングするという選択肢もアリ
とはいえ、正直なところ自家用車を手放して公共交通機関やタクシーで完全に代用できる生活エリアというのは決して多くないと思います。
自家用車なしで生活できるほど公共交通機関や交通網が発達してエリアはかなり限られるからです。
なので、多くの人は「車を手放すのは無理かなー」と思う人が多いでしょう。
そこで「自家用車を手放すのは難しい、でも維持コストは抑えたい…」という人には、自家用車をダウンサイジングするという選択肢もアリだと思います。
例えば、排気量が大きい普通車に乗っているならば、次の買い替えで軽自動車を選んだり、夫婦で複数台の車を所有している場合には台数を減らすことを検討したりできるかもしれません。
一般的に、自動車は排気量が大きい高級車や大型の車ほど、税金やガソリン代、保険料や整備費などの維持コストが高い傾向にあります。
加えて、これらの車は車体本体の価格も高いことがほとんどです。
なので、今の生活に必要な車の大きさを再検討し、それに見合う車にダウングレードすることで、車にかかるコストを抑えることができるのです。
こうすることで、自家用車の維持コストを下げつつ、自家用車の便利さを享受することができます。
自家用車を手放して生活の満足度が下がるのは本末転倒
ミニマリストは自分の好きな物事のために、それ以外の不要なものを減らします。
しかし、「モノを減らす」ということに固執するあまり本来自分に必要な道具まで手放してしまうと、かえって生活の満足度が下がってストレスを抱えることになってしまいます。
これでは本末転倒です。
あくまでモノを減らすことは、生活を豊かにするための手段に過ぎません。
大切なのは、自家用車によって得られる快適な生活とそのコストを天秤にかけ、利便性や精神的な満足感も含めてきちんとコストに見合うリターンが得られているのかを考えることです。
もしそのリターンがコストに見合っていないと感じるのであれば、手放すことやダウンサイジングを検討すればよいでしょう。
私が自家用車を保有している理由
ここまで自家用車を手放せるかについて書いてきましたが、私は今も自家用車を保有しています。
なぜなら、私の生活エリアは正直自家用車が無いと通勤や買い出しなどの日常的な移動が不便だからです。
自家用車を手放した場合の穴を公共交通機関で埋めきれないわけですね。
ただし、車の維持コストを小さくするためにダウンサイジングは済ませてあります。
元々は夫婦2人で1台ずつ車を持っていましたが、妻の車を使う機会がほぼなかったため駐車場代や車検費用がもったいない状況でした。
休日なども私の車で一緒に出掛けることが多く、車は1台で事足りる状態であったため妻と相談して1台手放しました。
車1台の状況でも今のところ特に生活に困ることはないですし、手放した分最低でも年間15万円以上節約になったので、やはりダウンサイジングしてよかったなと思っています。
ミニマリストであるからと言って、必ずしも車を手放す必要はありません。
大切なことなので何度も言いますが、ものを手放すことはあくまで身軽で快適な生活を送るための手段に過ぎないのですから。
ミニマリストだからといって、一概に自家用車を手放せるわけではありません。
自家用車を手放せるかどうかは、生活エリアの交通網や経済状況、車が好きかどうかによるので、自分の生活エリアや価値観など、身の回りの状況をよく考えてから判断する必要があります。
車の所有欲が低く、公共交通機関やタクシーで無理なく代替できるようであれば、車を手放すことを検討してもいいかもしれません。
完全に車を手放すことが難しければ、ダウンサイジングすることで車にかかる維持コストを下げることもできます。